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ワークモチベーションの着眼点 管理職編HEADLINE



モチベーションのカギを握る管理職

マネジメントにおいて重視される課題の一つは、いかにして社員や部下のモチベーションを高めるか、ということだろう。

管理職は部下一人ひとりのモチベーションを向上させるだけでなく、自らがモチベーション・リーダー、モチベーション・マネージャーとなり、組織全体のモチベーションを向上させることも求められる。


ところが現在の管理職は非常に多忙である。

ほとんどの管理職がプレイング・マネージャーとしての役割を求められ、部下や部門のモチベーションを高めていく必要性は理解しながらも、時間的・心理的に余裕がない状態にある。また具体的にどのようにすればよいのか、体系だった知識やノウハウも不足している。


現在、モチベーションについての調査、研究の多くは「個人」のモチベーションの要因を見つけたり、「個人」のモチベーションが生成されるプロセスを明らかにしようとする。

これはモチベーションについての調査・研究の大半がアメリカの大学や研究機関等で行われており、調査対象の中心がアメリカ人、アメリカ企業であるという事情を反映している。そのため語られるモチベーションについての話も日本人にはどこかマッチしない点がある。



日本に特有の自己観

社会心理学では欧米系の人々・文化圏には相互独立的自己観があり、日本人のような東洋系の人々・文化圏には相互協調的自己観があるとされる。

欧米の相互独立的自己観では自己は他者と独立した存在であり、家族や友人、上司や同僚・先輩といった他人とは交わることなく「個」として存在しているとされる。

そして、自己と他者は互いに独自の価値観、行動特性、志向性といった属性をその内側に含有している。そのため自分と他人の間には溝があり、それを埋めて互いに理解し合うためにコミュニケーションを必要とする(下図)



相互独立的自己観をイメージした図



それに対し、私たち日本人は相互協調的自己観を持ち、自分と他人とは完全には独立せず、一部分の属性を共有し、互いに影響を与え合うことで存在している(下図)


相互協調的自己観をイメージした図


Hazel Rose Markus & Shinobu Kitayama
 Culture and the Self : Implications for Cognition, Emotion, and Motivation



自分という個人は他者の存在やその関係性の中で位置づけられる。いわば光と影のような関係であり、光という他人があってこそ影という自分の存在がある。影は単独では存在できず、光という存在を必要とする。

つまり、日本人は他人との関わり合いの中に自らの存在を意識する。それゆえ欧米人を対象としたモチベーション論は日本人にとってはあまりにも個人に焦点が当てられ過ぎの感があり、すべてをそのまま受け入れられない。




日本に適したモチベーションとは

しばしば日本企業の強みは「現場力」にあると言われる。震災などで被災した企業の現場には多くの関係者が応援にかけつけ、復旧にあたる。

こうした非常時の復旧作業に携わり、多くの仲間や取引先の人たちと一緒に何かを成し遂げることでこれまでにない高揚感、モチベーションの高まりを憶えたという人は多い。日本人のモチベーションを考える際はもっと組織・集団のモチベーションに注目すべきではないだろうか


近代化以前の日本社会はそれぞれの地域において、地縁や血縁によって共同体が成り立っていた。それが戦後の高度経済成長の時代に入ると、若年労働者層はこぞって地方の農村から都市部・工業地帯へ移動し、地縁・血縁による共同体(ゲマインシャフト)から、産業社会による機能的な結びつきによる社会(ゲゼルシャフト)へ移行した。

この新しい共同体を構成する中心的な役割を担ったのが企業だった。日本企業は終身雇用制度や年功序列賃金制度による擬似的な家族のつながりをもって、かつての農村における地域社会を再現し、社員を企業という共同体に囲い込んできた。

しかし、90年代初頭の不動産バブルの崩壊により、こうした日本的経営は見直しを余儀なくされた。企業は自らの生き残りを図るため、終身雇用制度や年功序列賃金制度と決別し、家族主義的な経営を終焉させた。

この傾向は現在も続いており、それが働く人たちの心理に共同体を結びつける中心的存在の喪失感を生んでいる。日本人は欧米人と違い集団に寄り添うことでしか自己の存在を確たるものにできない。これがいわゆる「無縁社会」への畏怖の下地となっている。


こうした状況で管理職が組織のモチベーションを高めていくためには、集団としての一体感や連帯感を高め、かつての繋がりを再構築するしかない。

かつての終身雇用や年功序列に代わって企業や部署といった組織を束ねる核となるのは、企業理念やミッション、ビジョン、行動指針などに象徴され、共有される価値観、原理原則だ。

何のためにこの会社は存在し、私たちは何をするためここに集まり、あなたはここで何を期待されているのかを説いて、問いかけ、示していく。理念を浸透させ、ミッションを理解させ、ビジョンを共有することが、組織・集団の結束力を高め、モチベーションの向上に結びつく。



積み重ねたキューブのイラスト



重視される行動

こうした価値観や原理原則を理解させ、浸透・定着を図るにはどんな言葉よりも「行動」が決め手になる。百回理念を唱和するより、管理職の一回の行動の方が社員や部下に大きなインパクトを与える。

行動により理念やビジョンは美辞麗句から、手ごたえがあり、実感できるものに変わっていく。


行動が理念やミッションに基づいていれば、首尾一貫しているはずで、ブレることがない。状況に応じて表層的な行動は変わっても、そこには貫かれる基軸がある。

創業経営者や中興の祖とされる経営者の揺るぎない信念に基づく経営理念とそれを反映した行動は、物語やエピソードになり、人から人へ、管理職の手を経て部下へと伝わり、何度となく語られる。マネジメント層の日々の行動は物語やエピソードを豊富にし、経営資産として蓄積され活用されていく。


首尾一貫した行動はやがて短く簡潔に表現されたフレーズとなり、社内で誰もが耳にするようになる。トヨタ自動車の「なぜなぜと5回問え」や、アマゾンの「もっとディープ・ダイブしろ」(Deep Dive)といったフレーズは社内のあちらこちらで話され、行動の規範や指針となっている。

理念の示す言葉は変わらなくても、行動が言葉に新しい意味や価値を加えていく。管理職の日々の行動は組織に一体感をもたらし、チームワークを醸成させ、部下のモチベーションを向上させる。子育てのように社員や部下は管理職の背中を見て育つものと言えるだろう。



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