人材を活かす経営を実現するには2つの視点、考え方があります。
一つは、経営目標や事業計画を達成する、あるいは経営戦略を実現する、そのために人材を活用するという視点です。これは人材を
経営資産(ヒューマン・リソース)として捉えていることになります。
もう一つは、人材を育成しその価値を高めることで高度で効率的な経営を実現しようとする考え方です。これは人材を増やすことが可能な
経営資本(ヒューマン・キャピタル)として捉える見方です。
この経営資源として人材を活用するという視点と、経営資本として人材を育成するという考え方に基づく施策は全く異なります。人材を活用するための施策には、次のようなものがあります。
- 必要とする資格や実務経験、求める能力・スキルを有する人物を採用する
- 職務遂行能力を見極めて、しかるべき等級に格付けする
- 適切な役割を付与して適材適所を実現する
- 成果に対して適切な評価を行い処遇に反映させる
一方、人材を育成する施策は以下のようものです。
- OJTやOFF−JTといった教育研修
- 自己啓発や能力開発への支援
- 人事評価の結果を用いたフィードバック
- <職務遂行を通じて成長を図るための指導やコミュニケーション
- キャリア開発の支援や促進
資産と資本の両立を図る
人材を活用する施策と人材を育成する施策は全く異なりますが、人材を活かした経営のためにはクルマの両輪のようにどちらも欠くことはできません。
人材の活用と育成という施策は実行するだけでは不十分です。互いに連携させたり、統合する取り組みも必要です。こうして一体化されたものが
人材マネジメント になります。
活用と育成で成り立つ人材マネジメントは次のようにして、循環を繰り返す体系、システムになります。
最初に人材を等級に格付けする、役割を付与する、職務の見直しや人事異動により適材適所を図る、中途で採用する、などにより陣容を整えます。次に、経営戦略や事業計画に従って職務を遂行します。そして、職務遂行の結果、得られた成果について評価を行い、評価すべき点や改善を要する点についてフィードバックを行います。
最後に評価の結果を基に、人材の調達・異動や、等級・役割の見直し、教育研修を行い、再び次の職務遂行に備えます。
このように活用と育成のプロセスは一体化して、循環を繰り返します。
人材を活かす経営のためには、活用と育成という2つのタイヤが正しく装着されているか、一方が磨耗していないか、などを常に点検し、必要に応じて補強・補修といったメンテナンスを行う必要があります。
タイヤが片方しかない会社や、ボルトが緩んでいるのに気づかない会社、路面に合わないタイヤをつけている会社は正常な走行ができず、やがてトラブルで停まってしまったり、事故を起こしかねません。
当事務所では、この人材マネジメントを作り、正しく機能させるために役立つ次のような人材の診断・分析業務をを行っています。
【人材マネジメントにおける診断・分析業務の位置づけ】
人材を活かす経営を実現するためには、適切な手法の選択と実践、そして息の長い取り組みが求められます。また、有効な人事施策は経営方針や、業種・業界、社風・組織風土によっても異なります。当事務所は企業が人材を活かした経営を実現するための、さまざまな支援を行っています。
人事コンサルティング事務所 オフィス ジャスト アイ
人事コンサルタント・特定社会保険労務士
梶 川 和 重
事務所方針のページへ戻る
オフィス ジャスト アイのトップページへ戻る