2017年・目次
裁量労働制に見る脱労働時間給という働き方
運用が難しい目標管理制を克服する方法
基本給に左右されない賞与の払い方
基礎からわかる組織開発
頻発する労働条件の変更を巡る争い
労災保険と民事損害賠償の関係
会社は社員にどこまで損害賠償請求できるのか
研修効果を持続させるためのヒント
研修の課題 なぜ行動は変わらないのか
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裁量労働制に見る脱労働時間給という働き方
2017/11/27
労働基準法の前身は「工場法」という工場労働者を保護する法律だった。製造業は1時間操業すれば生産性に見合う付加価値が生み出される。しかし、今や日本の全産業の付加価値総額の7割を占める第三次産業では、労働者が1時間働いても時間に応じて付加価値が産出されるとは限らない。自社がメーカーでも、いわゆるホワイトカラーの社員については同じことが言える。
このため現在の労働基準法は、専門性を求められる一部の労働者向けに「裁量労働制」という仕組みを用意している。裁量労働制では、会社や上司が社員に対して業務遂行の手段や時間配分などについて具体的な指示をせず、労働時間はあらかじめ定められた時間を働いたものとみなして扱われる。
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運用が難しい目標管理を克服する方法
2017/10/26
数ある人事制度の中で、経営者や人事担当者、管理職を最も悩ませるのが目標管理制度だろう。目標管理制度とは、アメリカの経営学者、ピーター・ドラッカーによって唱えられた経営管理の手法で、社員がそれぞれ自分で望ましい目標を設定し、その達成を目指すことにより、経営目標の実現を図るものとされている。
日本では、昭和30年代に住友金属鉱山で導入されたのが最初と言われている。不況に見舞われた同社は大規模な人員整理を実施したため、従来の仕事の進め方を大幅に見直す必要に迫られた。そこで目標管理制度を導入し、今で言う「働き方改革」に取り組んだ。・・・ 続きはこちら
基本給に左右されない賞与の払い方
2017/7/26
日本の人事労務管理を特徴づける仕組みの一つとして賞与がある。諸外国では賞与は全く支給されないか、あっても月給の1カ月程度、あるいは決算で多額の利益が出た場合などに限られる。日本の賞与は法律で支給が義務づけられていないにも関わらず、年収に占める割合が2割~3割と大きく、それが全ての正社員に適用されるという点で特異な制度と言える。
賞与は毎月の給与と違い、会社利益の分配であるということは理解されているが、実際に各社員への配分になると、基本給○カ月分といったように給与に応じた支給(賃金比例方式)になっているケースが多い。
基本給に応じて賞与を支払うと、人事評価により個人別に多少の調整を行っても、基本給の差がそのまま賞与の差になる。そして基本給は能力主義を掲げながらも実質は年功序列化している会社も多い。そうなれば ・・・ 続きはこちら
基礎からわかる組織開発
2017/6/30
経営陣や人事担当者は、社員が成長すれば会社も成長し、収益向上に繋がるだろうという前提の下で、人材の育成に力を入れている。だが最近は人が育つことと、会社が良くなり収益につながることは、別の話なのではないかという問題意識が浮上している。良質な作物を収穫し収益を上げるには、品種改良や栽培に力を入れるだけでなく、土壌の改良も必要なのではないかという訳だ。
この土壌を良くしようとする試みが組織開発だ。「開発」とは英語の「デベロップメント」を翻訳したものだが、発達や発展、成長といったニュアンスが込められている。個人に能力開発が求められるように、会社に求められるのが組織開発ということになる。
組織開発の定義には様々な説や考え方がある。続きはこちら
頻発する労働条件の変更を巡る争い
2017/5/24
日頃、あまり意識することはないが会社が人を採用する、働く人が会社に就職するということは、会社と労働者が労働契約を結ぶことに他ならない。この契約によって労働者は労働力を提供する義務を負い、会社は賃金を支払う義務を負う。この事は労働契約法の第6条に「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する」と明記されている。
そして労働契約法・第8条は「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる」と定められている。これは反対に解釈すれば、双方の合意がなければ労働条件の変更はできないことになる。だが現実には合意がないまま労働条件が変更されることがある。
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労災保険と民事損害賠償の関係
2017/4/23
今や私たちの誰もがリスクに備え何らかの保険に入っている。会社も労働災害に備え労災保険に加入していると理解している方も多いだろう。労働基準法は労働災害が起きた場合は、たとえ会社に過失がなくても被災労働者に補償を行うことを義務づけている。
そしてこの補償義務は、労災保険による給付が行われることにより免除され(労働基準法 第84条1項)、同一の事由については、民法による損害賠償の責めを免れるとされている(同84条2項)。だが実際には会社に対し、不法行為や安全配慮義務違反という債務不履行により、損害賠償を要求する事態が起きている。これは一体どうしてなのだろう。
その理由は、労働基準法の84条2項が定める「同一の事由」という文言の解釈にある。
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会社は社員にどこまで損害賠償請求できるのか
2017/3/29
企業活動がグローバル化すると、日本ならではの働き方の特徴が浮き彫りになることがある。一般的に諸外国では仕事がデキル人は、今より良い待遇や、もっと腕を磨ける機会を求め転職するが、わが国ではデキル人ほど転職しない。そのため、日本の会社では人材を引き留める策(リテンション対策)にあまり関心がなかったが、昨今は専門的な知識や経験、技術を要する分野で人材不足が続いているため、こうした社員が退職しないように対策を講じることがある。
だが、こうした対策は一歩間違うと法律に抵触する恐れがある。労働基準法は前近代的な労働慣行を是正することを目的にしているため、長期の身柄拘束に繋がることを禁止している。その一つが賠償予定の禁止を定めた第16条だ。
この条文では ・・・ 続きはこちら
研修効果を持続させるためのヒント
2017/2/27
私たちは新しい年を迎えたり、異動や転職といった節目には「今年こそは◯◯◯しよう」とか、「新しい職場では◯◯◯を目指そう」といったように、誓いや目標を立てることがある。だが、しばらくすると当初の意気込みは失せ、これまでと変わらない状態に戻ってしまう。
これは会社の研修にも当てはまる。特にマインドセットを狙いにした心に働きかけるような研修では、研修から帰って来た当初はこれまでとは違う意欲や態度、行動を見せていた社員も、数カ月も経てば、研修前の状態に逆戻りしてしまう。研修効果を持続させる妙案はないのだろうか。
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研修の課題 なぜ行動は変わらないのか
2017/1/23
かつては人材育成と言えばOJTが主流で、OFF-JTはどちらかと言えば脇役だった。だが最近は脇役の地位が向上している。平成27年度の厚生労働省の「能力開発基本調査」によると、会社が支出した労働者一人当たりのOFF-JTの費用は17,000円で、3年連続の増加となった(図1)。また過去3年間にOFF-JTの費用を増加させた企業の割合は全体の約25%を占め、今後3年間で増加させる予定であると回答した企業は35%となり、こちらも急増している(図13)。
H27年度の能力開発基本調査はこちら(PDF)
会社がOFF-JTを重視する背景には、ビジネスを取り巻く環境の変化がある。技術革新や情報通信技術の進歩、グローバル競争の激化により、ビジネスのモデルやプロセスの変化が著しい。このため ・・・
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